4年間通い慣れた駅の風景が変わっていく。
賑わう町で見かける飲食店や、高いマンションが日に日に増えていくような。
どこでも進んでいる再開発。
見慣れた風景が、ほかのどこかでみたことのあるような景色へと変わっていく。
この町はどんな町だったのか、忘れてしまいそうで悲しい。
少し目先を変えると、そんな駅前の風景とは不釣合いな住宅街が広がる。
そこそこ整備された道と、そこそこ古い家屋。
そのさらに向こうには、時期がくれば密かに蛍が飛び交う野山が見える。
いつまでも蛍が飛び交う自然が残るとは思っていない。
ただせめて、あの高層マンションに生まれた子供たちには、あの野山に生きる風景を知ってほしい。
たかだか4年しか知らない町なのに、そう思わずにいられない。
夏が来る。